ニューインデックス株式会社 吉田加緒理 2011年08月22日 13時50分 更新
[新日鉄ソリューションズ]クラウド事例 株式会社ワイズマン様
サーバー数百台規模の福祉・介護事業者向け ASP サービスを、Hyper-V を活用したクラウド サービス上に半年で構築。変化に強い柔軟なシステム基盤を得ることで、長期的なコスト低減を実現
株式会社ワイズマン
株式会社ワイズマンでは、2012 年の大規模な法改正を見据えて、福祉・介護事業者向けシステムの大幅なリニューアルを実施。拡大し続けるビジネスを長期にわたり効率よく支えることのできるインフラを求めて詳細に検討を重ねた結果、新日鉄ソリューションズ株式会社が提供するクラウド サービス「absonne/アブソンヌ」を「もっともコストメリットの高い提案」と評価して選択。そして、このコストメリットを生み出すために、新日鉄ソリューションズ株式会社が選択した仮想化技術が Windows Server 2008 R2 Hyper-V でした。
目次
導入の背景とねらい
法改正に伴う大幅なリニューアルに合わせ、ASP サービスのインフラを見直し

株式会社ワイズマン
福祉事業本部
福祉事業統括担当部長
兼 福祉サポート部長
磯 浩行 氏

株式会社ワイズマン
福祉事業本部
福祉営業企画部
福祉営業企画課長
伊藤 宏光 氏
先進諸国の中でも急速に人口の高齢化が進行している日本にあって、高齢者のケアは重要な社会的課題となっています。株式会社ワイズマン (以下、ワイズマン) は、1990 年に社会福祉法人向けコンピューター システムの開発・販売を開始して以来、福祉の分野におけるコンピューター システム開発のパイオニアとして業界トップクラスのシェアを誇り、業務効率の向上に資するコンピューター システムを企画・開発することで医療・介護に携わる方々をサポートしてきました。
ワイズマンではさらに、他社に先駆けて 2005 年から福祉・介護事業者向けのシステムを ASP サービス (Application Service Provider Service) 化。お客様にさらなる利便性を提供するとともに特定非営利活動法人 ASP・SaaS・クラウド コンソーシアム (ASPIC) が主催する「ASP・SaaS・ICT アウトソーシングアワード」を 2007 年から 3 年連続受賞。また、総務省が推進する「ASP・SaaS安全・信頼性に係る情報開示認定制度」の認定取得など、確かな実績を築いてきました。
そして 2010 年。ワイズマンでは、来る 2012 年の介護保険法改正も視野に入れつつ、「ワイズマンシステムSP」として、福祉・介護事業者向け製品を大幅にリニューアルしました。それに伴い、「ワイズマンASPサービス」を支えるインフラ基盤についても一新しています。今後さらに続く法改正などにも柔軟に対応するとともに、お客様がより安定したコストで、継続的に安心して活用できるサービスとするべく、インフラ基盤に業界で初めてクラウド サービスを採用しています。
ワイズマン 福祉事業本部 福祉事業統括担当部長 兼 福祉サポート部長である磯浩行氏は、クラウド サービス採用に至った経緯について、次のように話しています。
「私たちが ASP サービスの提供を開始した 2005 年には、まだクラウド サービスという言葉もなく、新日鉄ソリューションズのデータ センターでハウジングをお願いしていました。
しかし、技術もどんどんと進歩し、仮想化やクラウドといった話が聞こえ始めてきました。そうした中、当社の ASP サービスが拡大し、さらには法改正などが定期的に行われることもわかっている状況を鑑みて、『長期的に見れば、今あるインフラを一から作り直してでも、よりメリットのある環境に移行するべきではないのか』という思いが浮かんできました。
そこで 2008 年に複数のサービスを詳細に検討した結果、機能面、コスト面、そして当社の要望に対する提案内容の確かさにおいて、新日鉄ソリューションズの『absonne/アブソンヌ』を採用することがベストであると判断し、現在に至っています」
新日鉄ソリューションズ株式会社 (以下、新日鉄ソリューションズ) が提供する absonne は、IaaS (Infrastructure as a Service) のレイヤーに属するクラウド サービスです。大企業のニーズに対応した環境を擁し、お客様の要件に合わせたカスタマイズが自由に行えることを特色としています。
ワイズマンからの RFP (Request For Proposal : 提案依頼書) を受けた新日鉄ソリューションズでは、「ワイズマンシステムSP」に適した仮想化技術を採用するべく、同社のシステム研究開発センターで複数の仮想化技術のベンチマークを比較するなど、詳細な検討を実施しました。その結果、Windows Server 2008 R2 の Hyper-V を活用したクラウド環境の構築を提案。ワイズマンから提案内容に対する高い評価を得て、2010 年 11 月より稼働を開始しています。
システムの概要
ワイズマンの要件に合わせ、absonne に国内最大級の Hyper-V Cloud 環境を構築
現在、「ワイズマンASPサービス」のユーザー数は契約単位で約 7,000。実際にシステムを利用するユーザー アカウントは数万以上の規模となっています。また、サーバー数百台。Hyper-V のほか、Citrix社の製品も活用しており、この組み合わせを利用した ASP サービスとしては国内最大級の規模となります。
新日鉄ソリューションズがHyper-V を採用した理由は、「Hyper-Vは仮想化技術としては後発だが、ワイズマンが提供しているサービスが、パッケージ販売の時代から一貫して Windows 上での利用を前提として開発されてきたことなども踏まえて、もっともコストメリットが高く、性能面に関しても優れており、開発生産性も高い。」と判断したことによります。また、マイクロソフトのテクノロジーで固めることで、システム全体にわたって一貫して手厚いサポートを得られることも重要なポイントでした。
■Hyper-V 採用の主な理由
・Windows Sever 2008 R2 の基本機能として動作するため構築が容易
・Windows Server 環境からのシステム移行が容易
・サード ベンダー製品のサポートが充実
さらに、「ワイズマンASPサービス」を支えるインフラ環境を効率よく運用管理するために、Microsoft System Center Virtual Machine Manager と Microsoft System Center Operations Manager を採用。物理サーバーと仮想サーバーを統合的に管理しています。
また、より強固なセキュリティを実現するために、Microsoft Forefront Client Security を導入することで、ハイパーバイザーと仮想サーバーの両方へのウイルス対策を実現しています。
※これらのマイクロソフト製品群は、サービス プロバイダー様向けのボリューム ライセンス プログラムである Microsoft Services Provider License Agreement (SPLA) を活用して調達されています。(一部製品を除く)
「システム構築が容易である」という採用時のねらいどおり、約半年という短期間でシステム構築が完了したと、尾形氏は話を続けます。
「今回のシステム構築に際しては、設計段階からマイクロソフト コンサルティング サービス (MCS)、およびプレミア サポートによる支援をもらうことで、十分に設計、検討することができました。そのお陰もあり、わずか半年近い期間でシステムを完成させることができました。以前の環境構築に比べてもスピードアップしています」
導入効果
セキュリティの強化や運用管理の効率化などより良いサービスを、コストを抑えて提供
Hyper-V によるクラウド サービスで支えられた「ワイズマンASPサービス」は、ワイズマンが提供するサービスの第 5 世代にあたります。従来からのお客様が操作に戸惑わないように、ユーザー インターフェイスのデザインを踏襲しつつ、4 つの新しいメリットを提供していると、ワイズマン 福祉事業本部 福祉営業企画部 福祉営業企画課長 伊藤宏光氏は説明します。
「『ワイズマンASPサービス』の特色となるメリットの 1 つ目が、『運用・保守の効率化』です。たとえばパッケージ版のバージョンアップを行う際には、当社からお客様にデータ CD をお送りしてアップデート作業をお客様にお願いしていたのですが、ASP サービスとなって以降はセンター サーバー側でアップデートできますので、お客様のお手を煩わせる必要がありません。
また、データ バックアップ作業についても、従来はお客様のサーバー環境においてバックアップを取得していただいたのですが、ASP サービス化以降は当社で一元的に管理しています。
2 つ目が、『安定したシステム運用の実現』です。ご使用の PC が故障してもライセンス キーがあれば、他の PC で「ワイズマンASPサービス」が利用できるので、業務に支障をきたしません。
そして 3 点目が、『セキュリティの強化』です。福祉・介護事業で取り扱うデータは、重要な個人情報などを含む大切なものです。そうしたデータがお手元の PC に保存されていると、盗難や漏えいの危険もあります。また、お客様の管理されているサーバー上でデータを管理する場合でも、厳重にデータを管理しなければいけないという義務とリスクがつきまといます。ですが、『ワイズマンASPサービス』では、absonne にあるサーバー側でデータを厳重に管理していますのでお客様に安心してご利用いただけるようになりました。
最後の 4 つ目が、『計画的なコスト管理の実現』です。利用料にはシステム料金とともに保守料金も含まれていますので、法制度の改正対応時に追加料金をいただくことがありません。法改正による突発的なコストを抑え、より計画的に予算管理をすることができます」
この 4 つのメリット――特に「計画的なコスト管理の実現」などに際しては、クラウド サービスをインフラとして活用したことが、大きく影響していると、磯氏も言葉を続けます。
「今回、新日鉄ソリューションズの absonne を採用したことで最大のメリットは、今の話にあったようにサービス レベルを上げつつもコストを適正化することができたということにあります。
ASP サービスを提供させていただく上では、どうしても『初期投資費用』がネックとなるのですが、Hyper-V を活用してクラウドを実現したことで、サーバー ハードウェアのリソースを効率良く活用することもできましたし、運用面も効率化され、TCO 削減が図れています。absonne 内に新しいお客様のための環境を用意させていただく際にも、非常に短期間かつコストを抑えた環境構築ができるようになりました。このメリットは非常に大きいと感じています。
それからもう 1 つ以前と決定的に違うのは、一時的に発生する検証作業などに必要な環境――ごく短期間だけ必要になるインフラ環境を、『使いたいときに、使いたいだけ使える』ということで非常に助かっています」
気になるコスト適正化について、磯氏は次のように話します。
「Hyper-V 環境への移行後についてまだ詳しく計算していません。ですが、過去のハウジング環境から 1 世代前のワイズマン ASP サービスへ移行した際には 約 20% のコスト低減効果が得られていますから、今回はそれ以上の効果が期待できると見ています」
今後の展望
クラウド サービスのメリットを活かしてより価値あるサービスの提供を
ワイズマンでは、2012 年 3 月を目標に、現在のお客様の大部分を、「ワイズマンASPサービス」環境へと移行していただく予定であると言います。
「今回、新日鉄ソリューションズさんとマイクロソフトさんのご協力をいただき、これだけ大きな規模で、ASP サービスのインフラをクラウド化することができました。お陰で、より質の高いサービスをより少ないコストで用意することができ、業界内において先駆者的なポジションを得ることができたと感謝しています。
今後も引き続きご協力をいただきながら、お客様にとって、どのようなサービスが一番良いのかということを追求し続け、価値のあるサービスを提供し続けて行きたいと思っています」
こちらに記載された情報は製作当時(2011 年 2 月)のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
本ケーススタディは、情報提供のみを目的としています。新日鉄ソリューションズ株式会社 は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
Windowsは、米国Microsoft Corp.の米国及びその他の国における登録商標です。
absonne(アブソンヌ)、NS Solutionsは、新日鉄ソリューションズ株式会社の登録商標です。
その他記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。
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クラウド・コンピューティング ITインフラサービス 「absonne(アブソンヌ)」紹介サイト
株式会社ワイズマン
所在地:〒020-0045 岩手県盛岡市盛岡駅西通2丁目11番1号
設立:1983年(昭和58年)6月
資本金:9億9,222万円
事業内容:福祉施設・事業者向け
医療機関向け / 地方自治体 / その他公益法人向け /コンピュータシステムの開発・販売・サポート
コーポレートサイト
http://www.wiseman.co.jp/
新日鉄ソリューションズ株式会社
本社:東京都中央区新川ニ丁目20-15
設立:1980年(昭和55年)10月1日
事業内容:
・経営及びシステムに関する
コンサルテーション
・情報システムに関する
企画・設計・開発・構築・運用・保守及び管理
・情報システムに関するソフトウェア
及びハードウェアの開発・製造
並びに販売及び賃貸
・ITを用いたアウトソーシングサービス
その他各種サービス
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