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ニューインデックス株式会社 津田武 2010年07月15日 13時29分 更新


[EMC]見えてきた、VCE(Virtual Computing Environment)連合による企業クラウドの革新

VCE連合が見据えているプライベート・クラウドは、仮想化されたサーバ、ストレージ、ネットワークのすべてが融合した形でスケールアウトするだけでなく、内部と外部クラウドを動的(ハイブリッド型)に連携させ、拠点をまたいでリソースを融通し合う新たな世界です。

今、ここにある未来

VCE連合が見据えているプライベート・クラウドは、仮想化されたサーバ、ストレージ、ネットワークのすべてが融合した形でスケールアウトするだけでなく、内部と外部クラウドを動的(ハイブリッド型)に連携させ、拠点をまたいでリソースを融通し合う新たな世界です。

日本の企業ITが、今から直面する課題

今、企業のIT部門では、ほとんどのサーバが仮想化を前提に導入され、インフラの再構築が進んでいます。

たとえば、大手製造業や流通業では数百台という大規模のIAサーバが仮想化され、さらに規模の大きい金融業などでは数千台もの仮想サーバを運用していくようになります。
それだけでなく、実際には仮想デスクトップも導入されていきますので、今まで経験したことのない巨大な仮想化基盤をいかに統制のとれた形で運用管理していくかが企業ITの成否を左右することになるでしょう。われわれVCE連合が懸念するのは、従来までの業務別の縦割りのインフラを、単に仮想技術で統合した仮想化アイランドに置き換えてしまうのではないかという点です。これでは、大規模なリソース・プールを構築することで得られる規模の経済や、必要なときに必要なリソースをオンデマンドで提供するという柔軟性の高い仮想基盤の利点を享受することができません。

また一方では、外部クラウドを利用してITサービスを調達するニーズも加速していきます。すべてのリソースを企業内のインターナル・クラウドで用意するのではなく、突発的に不足したリソースは、SLAやセキュリティの担保された外部のエクスターナル・クラウドから一時的に借りてきます。距離を越えて必要なだけのリソースを融通しあうプライベート・クラウドの姿も視野に入れたクラウド基盤の構築が必要とされています。

つまり、これから企業ITが直面するのは、かつてない規模の仮想化環境の運用管理と、内部・外部のクラウド基盤をダイナミックに選択する新たなサービス・モデルといえます。VCE連合は、この課題解決を視野に入れて取り組んでいます。

実証済みのスケールアウト型クラウド

実際にVCE連合が提供するプライベート・クラウドの基盤は、ストレージ層、ネットワーク層、ハイパーバイザーを含むサーバ層、そしてこれらを透過的かつシームレスに連携させていく運用管理ツールなどで構成されています。しかも、そうしたすべてが統制のとれた形でスケールアウトできるということを実証したうえで提供されるものです。

<VCE連合が目指すプライベート・クラウド概念図>
VCE連合が目指すプライベート・クラウド概念図

したがって、クラウドの基盤は、仮想インフラ層とアプリケーション層のふたつに大きく分けられ、インフラがアプリケーションと疎結合された状態でリニアにスケールアウトできるアーキテクチャとなっています。しかも、距離や地域、国をまたいだ仮想リソース・プールがフェデレーション(連携)することを視野に入れたソリューションとして設計されています。


<フェデレーションを前提に開発・検証されたクラウド基盤>
フェデレーションを前提に開発・検証されたクラウド基盤

今現実にある、管理の未来

昨年11月の米国での発表から半年以上が経過し、最近よく質問されるのが、「Vblockは何が違うのか?何が優れているのか?」という声です。

Vblockの先進性は、運用管理の視点で見ると大きく3つあります。まず1つは、企業規模や仮想インフラの規模、パフォーマンスに合わせて選択し、まるでブロックを積み重ねていくように自在に拡張できるブロック・アーキテクチャと、その3モデル製品「Vblock 0/1/2」があげられます。この3モデルには、フェデレーションによるクラウド運用に必要な要素がすべてパッケージ化されており、数百のアプリケーションを用いて事前検証を済ませた実践モデルです。

お客様企業は、持っているリソースを一足飛びにクラウド基盤に移行することはしません。ですから、ある業務アプリケーションや事業分野に最適なVblockモデルをご導入いただき、その後の拡張に合わせてブロックを追加していくという段階的な拡張が可能になっています。ただし、ここからが2つ目の先進性になり、一番重要なのですが、スケールアウトによってどんどん追加拡張してもお客様の管理負荷を最小限にとどめる仕組みが整備されています。それは、インフラ基盤が拡張することを前提に考案されたEMCが提供する管理ツール「Ionix UIM(Unified Infrastructure Manager)」で実現します。
たとえば、複数台のVblockが異なる場所に設置されていたとしても、まるで1つのクラウド基盤として一元的に管理できるからです。


<先進的なブロック・アーキテクチャによるVblock管理構造>
V先進的なブロック・アーキテクチャによるVblock管理構造

Vblockパッケージの思想は、共通化されたインフラのプールから、お客様が必要なときに必要なだけリソースを切り出していけるようにすることにあります。たとえば、Vblock2を東京のA事業部に、Vblock 1を大阪のB事業部に導入したとします。ところがこれらを管理する人は両方が見えており、リソースを相互に融通し合うことも自由にできます。

今までのように、サーバの設定、ネットワークの設定、ストレージの設定を個別の管理者が実施する必要はありません。UIMのコンソールから、リソースの設定やプロビジョニングが行えるため、従来はクラウド基盤とはいえ2~4週間かかっていたプロビジョニングがVblockなら数時間から数日で終わってしまいます。まさに、別次元の運用管理を体感いただけるはずです。また、本年末にはお客様がお持ちの統合運用管理ツール(Tivoli、JP1等)とも連携して管理できるようになり、既存のエンタープライズ環境にVblockをさらに導入しやすくなります。

そして、3つ目の先進性になるのですが、なぜVblockは、拡張したときに管理負荷が増えないのか?その技術的な根拠は、実はVblockの構成要素がスケールアウトを前提として設計されているからです。

たとえば、シスコ社のCisco UCSは、徹底した統合化により、スケールアウト時の管理ポイントの増加を最小限に抑制するという設計思想を持った、新世代のサーバ製品です。
このUCSでは、すべてのトラフィックがユニファイド・ファブリックに統合され、従来のブレード・サーバでは個々のブレードごとに搭載されていたネットワーク・インタフェースも不要となります。この結果、数十台、数百台規模でスケールアウトした場合でも、従来のサーバのようにスイッチやファイバ・チャネルのドライバ更新など、管理ポイントや管理作業が増加することがありません。

UCSはネットワーク機能とコンピューティング機能が統合された全く新しいサーバ・システムとなっているわけです。まさに、ネットワーク・コンピューティングの幕開けといえるかもしれません。

<管理ポイントが増えない、スケーラブル型プライベート・クラウド>
管理ポイントが増えない、スケーラブル型プライベート・クラウド

上位の仮想サーバが大規模に集約・統合された世界では、ストレージ側も大規模なリソース・プールを構築する必要があります。EMCが提供するストレージは、同一筺体内で数ペタバイト規模にスケールアウトできることはもちろんのこと、さまざまなレベルのI/O要求をサービス・レベルを低下させずに処理するための性能が備わっています。くわえて、ストレージ固有のデータを長期間保存するという要件に対しては、昨年末発表したFASTというEMC独自の階層化技術を活用することで、データのアクセス頻度に合わせて、コストや性能が異なるディスクに振り分けることで、パフォーマンスを妥協することなくコスト効率を向上させます。本機能は、ストレージのディスク単位(LUN単位)からデータのブロック単位の自動階層化へと第2の進化を遂げ、管理負荷軽減と効率アップをより高いレベルに引き上げています。さらに、今後数年で、アクセス頻度の少ないデータの自動圧縮や自動重複除外、さらにはお客様のポリシーにしたがって自動的に社内のクラウドや社外のクラウドに保存していく「自動情報ライフサイクル・マネージメント(ILM)」を視野に入れた進化を予定しています。さらに、仮想化によって共通プール化されたEMCストレージは、距離的な制約を受けずに互いに連携するフェデレーション世代へと革新を続けています。

米国で導入が進むVblockのサービス革新

Vblockでは、ビジネス要件をリソースに割り当てる際には「サービス・テンプレート」というサービスを形成する"メニュー"を設定します。メニューは、ゴールド、シルバー、ブロンズなどのサービス・レベルに応じて定義され、サービス・カタログとして管理されます。

たとえば、各事業部がITサービスを要求する際には、自分のデスクトップから「ITプロビジョニング・ポータル」を参照します。そこには、ストレージやサーバ、ネットワーク、アプリケーションなどの個別に定義されたサービス・カタログとオファリングがあり、要求者はそれらを選択して組み合わせ、課金を含めたリソースの割り当てを受けます。

日本においても、年内にはサービス・カタログにしたがってリソースのプロビジョニングを自動的に行う、ポリシー・ベースのプライベート・クラウド化が始まります。

現在、クラウド化が熱く語られ、実践段階に入っていますが、米国では新たなインフラの運用管理の革新性が期待され、急速に導入が進んでいます。VCE連合とVblockがお届けするのは、インフラとその管理を含めた今現実にある未来です。

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