ニューインデックス株式会社 吉田加緒理 2010年10月28日 21時35分 更新
[株式会社アイ・ティ・アール]アナリスト・コラム(第12回): クラウド導入アプローチ:スモールスタートではなくワイドスタートを
パブリック・クラウドは、いつでも利用開始が可能で、また、随時(サービスによっては月単位で)利用停止ができることが大きな特長です。
パブリック・クラウドは、いつでも利用開始が可能で、また、随時(サービスによっては月単位で)利用停止ができることが大きな特長です。しかし、いくら簡単に利用停止ができるといっても、パブリック・クラウドを導入する際に、いきなり多くの業務に対して全社展開することはリスクが高すぎます。このため、多くのクラウド事業者、コンサルタント、SIベンダーが、「スモールスタートにしましょう」と提案することが多いと思います。しかし、本当にスモールスタートが有効かどうか、ユーザー企業はよく検討すべきではないか、と私は考えています。
ワイドスタートとスモールスタート
言うまでもなく、スモールスタートは、新しい技術やシステムを導入する場合などで自社に対する有効性を確認するために、一部の部門を対象に試行を兼ねたシステム利用を行うことです。しかし、クラウド・コンピューティングのような新しい技術/サービスの導入に対しては、企業経営層や利用者側の不安が大きく、否定的な意見が社内に散見されることが多いと思います。このようなケースで1部門だけでの試行によって全部門の不安や疑問を取り除くのは無理があるのです。「うちの部門はあの部門とは違うから横展開は無理だ」という意見が出ても、論理的に説得することは極めて困難なのです。
このようなスモールスタート手法に対し、始めから全部門を対象にして試行を兼ねて利用するのですが、非常に限られた業務や事務処理にとどめておくことを私は「ワイドスタート」と呼んでいます。ワイドスタート手法を用いることによって、企業全体の不安を取り除くことがスモールスタートよりも容易になります。図にはワイドスタートとスモールスタートの違いを示しています。
<図 ワイドスタートとスモールスタート>

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出典:アイ・ティ・アール
クラウドのワイドスタートに適した領域とは
甲元宏明
株式会社アイ・ティ・アール
シニア・アナリスト
前職では情報部門でSCM・CRMなどのシステム開発、MPLS・VoIPなどのWAN構築、IT戦略立案を主導。その後、欧州企業との合弁企業においてグローバルITを統括し、IT戦略立案・ERP展開を実施した。2007年より現職。担当は、ITアーキテク
チャー・開発方法論・クラウドコンピューティング・ネットワーク・CRMほか。