CZ会員メンバー登録

CZメンバーに会員登録いただくと、クラウド・コンピューティングに関する最新情報の入手や、会員限定記事を閲覧頂けます。

会員登録
ログイン

クラウド時代のセキュリティ対策とは

パブリック・クラウド最新動向とエンタープライズ・クラウドの重要性

クラウド時代に生き残るには - 第五回 クラウド時代を迎えて -

クラウドがもたらしたもの

パブリック・クラウドの最新動向と活用ヒント

クラウドでビジネスの成果をあげるためには

クラウド導入アプローチ:スモールスタートではなくワイドスタートを

クラウドの利用に適したケース

Follow me on Twitter!

CloudNews

COMPUTERWORLD

ASP・SaaSナビ

事例バンク

EMC

クラウド入門講座

ニューインデックス株式会社 津田武 2010年04月15日 14時26分 更新


[VMware]身近なクラウド・コンピューティング(1/5)

「クラウド・コンピューティングとは何なのか?」というシンプルな問いに対する回答と、企業の経営者やリーダーが抑えておくべき点をシリーズに分けて連載する。

この連載をするにあたり

クラウドコンピューティングって何?ASPと何が違うの?ホスティングと変わらないじゃない?等色々なご質問をIT業界の方々だけではなく、異業種のリーダーや、大学院の教授からも頂きました。多くの日本人が活躍するチャンスがあるクラウド時代に活用できる情報を皆様にお伝えしようと考えて、本連載をスタートします。1つでも気付きと学びを提供させて頂き、皆様にプラスの効果を上げることができましたら幸いです。

本連載では、クラウド・コンピューティングの基礎やテクノロジーの解説、VMwareの取り組みや今後のビジョンといった内容を毎月ご紹介していきます。

第1回 身近なクラウド・コンピューティング
第2回 クラウド・コンピューティングを支えるテクノロジー
第3回 ITを使うユーザと、準備するプロバイダの変化

はじめに

 2009年からクラウドコンピューティングという言葉を色々なところで目にするようになり、2010年には1週間の間に数回新聞の紙面をにぎわすようになりました。クラウドコンピューティングとは、ただの流行なのか、ビジネスモデルなのか、 テクノロジーなのか、 商品なのか、一般的にわかりにくいと言われています。
今日はいくつかの視点で「クラウドコンピューティング」について解説していきたいと思います。

雲

クラウドコンピューティングを最低2軸でみてみる

クラウド・コンピューティングをわかりにくくしている理由の1つは、評価する軸が複数あるためです。特にその中でも目立つ軸として、「サービスモデルが複数ある」ことと、「クラウドを見る立場が複数ある」ことだと考えられます。

  1つめの軸として、サービスモデルでみてみましょう。サービスモデルは一般的に、ソフトウェアのサービス、開発・実行環境のサービス、サーバ・クライアントインフラのサービスの3つのレイヤに分割されて、図1のようにSaaS、PaaS、IaaSと定義されています。

クラウドの定義
図1 クラウドのサービスモデル

  2つめの軸として、クラウドの提供者と使用者についての軸でみてみましょう。このような視点はあまり目立ちませんが、実はとても重要です。つまり、「誰が誰のお客様になるか考える」ということです。
 例えば、エンドユーザ、アプリケーションチーム、インフラチームとわけて考えた場合、インフラチームのお客様はアプリケーションチーム、アプリケーションチームのお客様はアプリケーションを使うエンドユーザとなります。
 クラウドコンピューティングを考えるときには、この2軸を考え、どこの話を、何を目的に、どの時間軸で、誰に対するソリューションを提供するかを考えると、よりわかりやすくなります。この文書を読まれている皆様は、どの立場で考えていらっしゃいますか?

テクノロジーからみたクラウド・コンピューティング

 現実的に、クラウドコンピューティングを実現するには、仮想化技術を活用することは必要条件です。
 なぜなら、クラウドコンピューティングへのユーザからの期待が、コストパフォーマンスの良さだとすると、仮想化技術を使うことなしに、実現することは現実的に難しいからです。
 ここで、仮想化技術について少し考えましょう。仮想化といっても、世の中には様々な仮想化技術があります。
 例えば、RAIDも仮想化の1つです。物理的な構成を隠蔽した物を、上位のレイヤにサービスレベルを上げながら、コストを下げます。
 RAIDの場合、複数のDISKを組み合わせて、パフォーマンスを上げると同時に、可用性を上げています。さらに、LUNの切り方を最適化することで、コストも下げられます。
 それでは、何に対してどのレイヤで仮想化すればよいのでしょうか?
 皆様の立場からみて「エコノミクス」がはたらき、最適な仮想化される境界線が決まっていく、言い換えると「心地よい境界線」という感じのものがどこかが大切になっていくと考えられます。では、次に日常生活から「心地よい境界線」を考えてみましょう。

日常生活から見たクラウド・コンピューティング

  皆様の日常生活に置き換えると、クラウドという概念は一般的なものになっています。
 例えば、小売業の歴史を振り返ると、商店街~デパート~大規模スーパー~コンビニ~ネット通販と変化をしてきた事は、小売業、言い換えると物流がクラウド化されたということになります。コンビニのお弁当が、複数の弁当工場で作られているのに、同じ味を提供できている、というイメージです。
 商店街では個別に作られたものが販売されていました。時代が流れるにつれて商品が標準化されて、今では標準化された物だけではなく、特徴のある物でさえ、何を買えばどれくらいのことができるということが口コミやWeb等を通じてわかるため、小売業の業態が日々変わってきています。
 B2Bビジネスで例をあげると、製造業では、必要な素材などをクラウド化された調達経路にて調達し、コストを下げることをしていると思います。
 つまり、ITがクラウド化されると、標準化されたサービスがリーズナブルなコストで提供するという、小売業の物流革命と同じ事がおきていると言えると思います。


 さらにもっと身近な例をあげると、パスタを食べる時にも同様の「クラウド的思考」が働いています。
 パスタを生地から作るのか、生地は買ってくるのか、ソースは自作か、コンビニのパスタ弁当を食べるのか、行きつけのパスタ屋にいくのか、こだわりのイタリアンレストランに行くのか、皆様はどれを選択されますか?
 パスタの提供方法を「クラウド的思考」で考えると、標準化されても良い「心地よい境界線」を見つけることが、重要になってきます。
 標準化されたパスタ(サーバ)を購入し、それを自分で調理(システムを構築)するのか、行きつけの信頼しているパスタ屋に行く(構築サービスを買う)のか、時間がないので仕方なく初めて入る定食屋で唯一のパスタであるミートソースを食べる(無償のクラウドサービスを一時的に使う)のか等、食べたいタイミングで食べられて(オンデマンド)、値段相応に美味しくて(パフォーマンス)、今の自分が期待する価格である(コスト)という選択を日々していると思います。


 クラウド使用者の「心地よい境界線」を見つけ出し、それに対して選択肢のあるサービスや商品を提供するのが、KSF(Key Success Factor)の1つになるのは、多くの方がすでに気づかれている事だと思います。

一般消費者から見たクラウド・コンピューティング

それでは、一般消費者からみたクラウド・コンピューティングを考えてみましょう。
 一人の一般消費者のユーザとしてクラウド・コンピューティングを考えると、使用する基準はシンプルです。
 例えば、知っているもので必要である、手に入れやすい、トータルコストが低い、使い勝手(初期とそれ以降)が自分のスキルに応じて提供されている、という4つの切り口で考えた場合、利用コストを最も重視していると考えられます。
まず、コストを中心に必要性を考えて、それぞれのスキルに応じた機能性や操作性を持っているかどうか確認をします。
 ここで課題になるのはバラツキ、つまりユーザの多様性です。
 使用するアプリケーションやコンテンツのバラツキはとても大きく、一般消費者のスキルのバラツキも非常に大きいと考えられます。
 一方でコストに関する基準のバラツキは多くないとすると、一般消費者向けのクラウドは、クラウドの中身の多様化が必要になってくると言えます。

例)一般消費者のクラウド使用までの行動
一般消費者のクラウド使用までの行動

スキルの課題があるために、汎用アプリケーションである、メール、ファイル共有、ブログ、チャット、最近では電子書籍等、コミュニケーションやゲーム等を中心とする使い始めやすいクラウドが提供されているのが現状と言えます。今後一般ユーザ向けにクラウド化がより進むと、インフラ部分のコストが下がり、多様なニーズにマッチした多くのコンテンツやサービスを、リーズナブルな価格で使えるようになっていく事を期待できます。

ビジネスユーザからみたクラウド・コンピューティング

ではビジネスユーザからみたクラウド・コンピューティングはどうなのでしょう。
一般消費者以上にビジネスユーザの要求は厳しい代わりに、投資をすることでリターンが得られるとわかると、企業は投資をして、ユーザのスキルを上げてスキルのバラツキを減らして、投資の効果を最大化します。

例)ビジネスユーザのクラウド使用までの行動
ビジネスユーザのクラウド使用までの行動

クラウド・コンピューティングの公式な定義を【参考】にあげました。既に日常でクラウド・コンピューティングを使用しているだけではなく、このような「クラウド的思考」はすでに以前から生活に浸透していることがわかります。  ある一定の時間が経過をすることで、インターネットがイントラネットとして企業向けに浸透して、現在は当たり前のように使われるようになったのと同様に、クラウド・コンピューティングは一般消費者から企業ユーザの生活の柱になっていくと、期待されるようになってきています。

次回は、クラウド・コンピューティングを支えるテクノロジーについてお伝えしていきたいと思っています。

【参考】クラウド・コンピューティングの公式な定義の例
NIST:http://csrc.nist.gov/groups/SNS/cloud-computing/
On-demand self-service、Broad network access、Resource pooling、Rapid elasticity、Measured Service
総務省:http://www.soumu.go.jp/main_content/000053919.pdf
拡張性、可用性、俊敏性、可視性、経済性

(ヴイエムウェア株式会社)

[VMware]クラウドコンピューティングを支えるテクノロジー(2/5)